米メジャーリーグの大谷翔平選手が、全国の各小学校に三つずつ寄贈したグラブをめぐり、小学校の対応が分かれている。寄贈をきっかけに野球への関心を高めようとする学校がある一方、そもそも野球のボールがなく、校庭で野球をすることを禁止している学校もあり、使い道が決まらずに保管されているケースも。「野球しようぜ!」という大谷選手のメッセージは、子どもたちにどう広がっていくのか。
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「キター‼」
「私が見るだけではもったいない!という事で、市役所正面入口に当分飾ります!」
大分県別府市の長野恭紘市長は1月17日、大谷選手から届いたグラブを手にした写真とともに、そんなコメントをSNSに投稿。翌日から「大谷翔平選手ありがとう‼」と書かれたパネルとともに、透明なケースに入れて展示した。
その投稿に「それは大谷選手から子どもたちに贈られたグラブだ」と批判が殺到。市は予定を前倒しして、26日にグラブを市内の全小学校に届けることになった。
そうして各学校に届いたグラブだが、子どもたちが使ってくれるのか。活用方法は各校が判断するとして、市教委の担当者はこう語った。
「休み時間に野球ボールを使ってキャッチボールをするのは難しい。大谷さんから贈られたグラブを教育課程(学校教育)で使うとしたら、ソフトボールのクラブ活動であれば可能性はありますが、それ以外は多分ないと思います」
市内の学校のグラウンドは、社会体育団体が野球の練習試合なども使われてきており、野球そのものが禁止されているわけではない。ただ、これは学校時間外でのことであり、普段の学校生活における校庭の使用となると、話はまったく別だという
「休み時間に子どもたちが軟らかいボールを使ってハンドベースボールすることはあるでしょう。しかし、野球用のボールを使えば、他の児童の目に当たってけがをする恐れがあります。ハンドベースボールをする際に、グラブを使うくらいのことはできると思いますが……」