大谷翔平選手から贈られたグラブを手にはめる児童たち=1月11日、山形市の市立西山形小

活用方法を「検討中」の学校も

 実はこれは、別府市に限った話ではない。小学校での休み時間における校庭の使用規則を調べると、多くの学校が野球ボールを使って遊ぶことを想定していないことがわかった。そもそも最近の小学校には、基本的に野球ボールがないのだ。

 1977年に学習指導要領が改訂された際、小学校の体育から「ベースボール型」の学習が削除された。その結果、学校から野球ボールが消えた。

 その後、2008年の改訂でベースボール型の授業は復活したものの、安全面に配慮して野球ボールは使われず、ドッジボールを使った「キックベースボール」や、ウレタン製のボールを用いた「ティーボール」などが行われている。

 そのような状況のなか、大谷選手から「野球しようぜ!」というメッセージとともに全国の小学校にグラブが届いている。

 校内でお披露目式が開かれ、子どもたちがグラブに触ったり、手にはめたりして喜ぶ姿を多くの人が目にしてきたが、今後、学校はグラブをどう活用していくのか。

 休み時間のルールに野球ボールについて記述のある学校など15校に、寄贈されたグラブの活用方法について取材したところ、5校が「まだ検討中」と回答した。
 

学校の外で使うのが「現実的」

 その一つが、1月上旬にグラブが届いた長野市立若槻小学校だ。

「各クラスにグラブをまわして、子どもたちに触ってもらおうと思っていますが、その後、どうするかはまだ検討中です」

 と教頭は説明する。

 若槻小では、休み時間に硬・軟式ボールを使うことを禁止している。しかし、実際のところは体育の授業で使わないため、学校に野球ボールがないのだという。

「地元の野球チームに所属している児童に、希望があればグラブを貸し出して、学校の外で使ってもらってはどうかという案が出ています。それが一番現実的かなと思います」(若槻小教頭)
 

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「安全」に配慮しつつ、活用方法を模索