投手でまず注目が集まるのが長年エースとしてチームを支えてきた菅野と大野の2人だ。菅野はこれまでに最多勝3回、最優秀防御率4回など数々のタイトルを獲得。2010年代の球界を代表する投手の1人と言え、2020年オフには推定年俸8億円で契約更改している。しかし翌年以降は怪我もあり、3年間のトータルでも20勝22敗と低迷。昨年はプロ入り以来最低となる77回2/3の登板に終わり、年俸もピーク時に比べると半減となっている。チームも続々と投手を補強しており、今年も同じような成績に終わると完全に“元”エースとなってしまうだろう。
大野は菅野ほど圧倒的な成績を残したシーズンは少ないものの、2019年からは2年連続で最優秀防御率のタイトルを獲得。しかし昨年は1試合に登板しただけで左肘の不調を訴えて手術を受けて長期離脱となり、そのままシーズンを終えた。昨年は完全に怪我が原因での低迷でそこまで力が落ちた印象はないものの、年齢的にも完全にベテランとなっているだけに、どこまで状態を戻せるかが気になるところだ。
続いて投手で名前が挙がるのが長く抑えを任せられてきた山崎と増田だ。山崎は一昨年のオフにメジャー移籍を封印して球団最長タイとなる6年契約を締結。しかしその1年目は高額年俸に見合った成績を残せず、シーズン終盤は中継ぎに配置転換となった。これが初めての低迷ではなく、2020年にも大きく成績を落としているというのが気になるところだ。6年契約の詳細は明らかになっていないが、その内容次第ではこの成績が続くと大幅減俸の危険性は高いだろう。
増田も成績を大きく落としたのは2018年、2021年に続いて昨年が3度目であり、このオフには既に6000万円ダウンとなっている。フリーエージェント(FA)で移籍した山川穂高の人的補償でソフトバンクから甲斐野央が加わったこともあって、今年はさらに結果が求められるシーズンとなるだろう。
また他の投手では昨年メジャーから復帰した沢村、2021年オフにFA権取得を見込んで驚くほど年俸がアップしながら低迷が続いている武田も昨年と同様の結果であれば、苦しい立場となる可能性は高そうだ。