25歳の私へ現実は想像を優に超えていた(イラスト:サヲリブラウン)
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 作詞家、ラジオパーソナリティー、コラムニストとして活躍するジェーン・スーさんによるAERA連載「ジェーン・スーの先日、お目に掛かりまして」をお届けします。

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 この号が発売される頃には無事に終了しているはずのイベントの準備が佳境に入っています。兎にも角にも、やることと覚えることが50歳の私には多すぎる。「できるかも?」と思ってしまった過去の自分を恨みつつ、「子育てをしながらフルタイムで働いている人ってこんな感じなのかしら……」と、朦朧とした頭で考えたりもしています。

 会場はLINE CUBESHIBUYA(渋谷公会堂)。出演者は堀井美香さんと私。「OVER THE SUN」というポッドキャスト番組のイベントです。しかも2DAYS。レコード会社勤務時代には何度も足を運びましたが、まさかアーティストでもない自分がシブコー(と呼ばせてください)の板の上に上がる日が来るとは思いもよりませんでした。チケットは2日間ともソールドアウト。1月19日からは、渋谷パルコでOVER THE SUNの展覧会も開催中。

 いったい、なにが起こっているのだ。現在進行形でもにわかに信じがたい事態ですが、25歳の私に言ったら、もっと信じないでしょう。「あなたは結婚もしないし、子どもを産む選択もしないまま50歳になるよ」と言っても信じないでしょうけど。私に限ってかもしれませんが、現実は想像を優に超えていたということ。

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ジェーン・スー

ジェーン・スー

(コラムニスト・ラジオパーソナリティ) 1973年東京生まれの日本人。 2021年に『生きるとか死ぬとか父親とか』が、テレビ東京系列で連続ドラマ化され話題に(主演:吉田羊・國村隼/脚本:井土紀州)。 2023年8月現在、毎日新聞やAERA、婦人公論などで数多くの連載を持つ。

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