バブル崩壊後、競売が激増

 一方、バブル景気時に急速に人口が流入した八街市、山武町(現・山武市)などでは別の深刻な事態が発生した。もともと農業主体の小都市だった両市は、バブル期の住宅建築ラッシュにより人口が激増し、学校では新学期になると、壇上に多数の転校生が並んで紹介される、という状態だったのだが、そもそも高金利のバブル時代に、利便性の厳しい投機型分譲地で自宅を建築した人の中には、予算に余裕のない住民も少なくなかったようである。

 2010年、八街市と山武市は、それぞれ競売物件の数が全国1位、2位という不名誉なランキングに名を連ねてしまう。翌2011年は、八街近隣の市町村である東金市や大網白里町(現・大網白里市)でも競売物件の増加が顕著に見られた。いずれも、バブル期に住宅建築が著しく進められた千葉県の遠郊外部である。

 もちろん、そのすべてが投機型分譲地に建てられた住宅というわけではないが、千葉の遠郊外部における、住宅ローン返済の焦げ付きによる競売物件の増加は当時にわかに注目され、その研究を行った大学論文や新聞記事も残されている。

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