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関節リウマチは女性に多い病気であり、国内では約80万人の患者が診療を受けているとされています。原因や発症のメカニズムはまだ解明されていないことも多く、一度発症したら完治することはほとんどありません。これまでは、進行すると関節の痛みや変形などで日常生活にも大きな影響をおよぼす病気といわれてきました。しかし近年、新薬の登場など治療法の進歩によって昔の常識とは大きく変わりつつあります。早期に適切な治療をおこなうことで症状をコントロールすることができ、病気を発症する前と同じような生活を送れるようになる人も多くいます。早期発見・早期治療につなげるためにも、病気の特徴や症状などについて理解しておきましょう。

【チェックリスト】こんな症状があったら関節リウマチかも

 この記事は、週刊朝日ムック「手術数でわかる いい病院」編集チームが取材する連載企画「名医に聞く 病気の予防と治し方」からお届けします。「関節リウマチ」全3回の1回目です。

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免疫の働きにより関節に炎症が起こる病気で、女性に多い

 関節リウマチは自己免疫疾患とよばれる病気の一つです。本来はからだを守るはずの免疫が自分のからだを攻撃してしまうために、関節の内側をおおう「滑膜」に炎症が起こり、関節の痛みや腫(は)れを引き起こします。

 関節リウマチは1:4の割合で女性に多いとされています。その理由について、大学病院で長年関節リウマチの診療にあたりながら、ガイドラインの作成などにも携わる東京女子医科大学病院膠原病リウマチ内科教授の針谷正祥医師はこう話します。

「関節リウマチに限らず、自己免疫疾患はもともと女性に多い傾向があります。多くの研究から男性と女性とでは免疫のバランスをつかさどるたんぱく質(サイトカイン)の出かたが異なることがわかっており、そのバランスの違いから女性のほうが免疫の病気になりやすいと考えられています」

 一般的に、30~50代が発症のピークとされていますが、高齢化に伴い60代以降で発症する人も増加傾向にあります。

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「遺伝的な要因」と「環境的な要因」が重なり合って発症