「加齢により免疫のバランスを制御する能力が衰えてきて、発症が増えると考えられます。最近では70代、80代の患者さんを外来で診ることも珍しくありません。高齢になると患者数の男女差が縮まってくるともいわれていますが、その理由もわかっていません」(針谷医師)

遺伝的な要因と環境的な要因が重なり合って発症する

 関節リウマチの原因についてはまだ解明されていないことも多くありますが、「遺伝的な要因」と「環境的な要因」が重なり合って発症すると考えられています。

 遺伝的要因として、関節リウマチを発症した人には、免疫にかかわる「HLA-DR4」という遺伝子を持つ人の割合が高いことがわかっていますが、この遺伝子を持っていても関節リウマチを発症しない人もいます。ほかにも関連する遺伝子はいくつもあり、さまざまな遺伝子の組み合わせによって発症しやすい状態になると考えられます。関節リウマチの早期発見や予後改善をめざし診療や啓発に力を入れている、横浜市立大学附属市民総合医療センター、リウマチ膠原病センター診療教授の大野滋医師はこう話します。

「遺伝的要因が発症にかかわるといわれていますが、それだけでは説明がつかないことも多くあります。生まれつき持つ遺伝的な要因に、さまざまな環境的な要因が重なることで発症すると考えられます」

 環境的な要因として明らかになっているものに、喫煙や歯周病があります。ほかにも加齢、腸内細菌、感染症、外傷など、関節リウマチの発症にかかわるとされる要因は多くあります。

 喫煙や歯周病などは一見、関節リウマチとは無関係と思われがちですが、どちらも体内のたんぱく質の構造に変化を与え、それにより自分のからだを攻撃する自己抗体ができ、リウマチの発症につながると考えられています。

手のこわばりや痛みなどの症状が少しずつ増えていく

 関節リウマチの症状は、関節に起こるものと、関節以外の部分に起こるものに大別されます。関節に起こる症状では、朝の手のこわばりや手足の関節の痛み、腫れなどが挙げられます。

次のページ 手のこわばりは初期症状として多くみられる