徹底マークにあった久保。写真=MB Mediaアフロ

 22年のW杯カタール大会1次リーグで優勝経験国のドイツ、スペインを撃破して世界中に衝撃を与えた森保ジャパンだが、堅守速攻のチームに対して苦戦するケースが目立つ。同大会でも1次リーグ2戦目のコスタリカ戦で0-1と敗戦。決勝トーナメント1回戦のクロアチア戦もボールを保持したが攻めあぐね、PK戦の末に敗れた。攻撃陣の能力が低いわけではない。中盤は久保、伊東純也(スタッドランス)、三笘薫(ブライトン)、堂安律(フライブルク)、南野拓実(モナコ)、中村敬斗(スタッドランス)と特色の違う選手がそろい、FW陣も上田、前田大然(セルティック)、浅野拓磨(ボーフム)、細谷真大(柏レイソル)と多彩で戦術によっていろいろな組み合わせができる。今回のアジア杯のメンバーから漏れたが、MF鎌田大地(ラツィオ)、田中碧(デュッセルドルフ)、古橋亨梧(セルティック)ら実力者たちが控える。

腕の見せ所だが…

 日本代表を格上とみるアジアの各国は試合の主導権を握られることを想定したうえで、堅守速攻のスタイルで戦ってくる。相手の戦略に対応するため、攻撃陣をどのように組み合わせるかが森保監督の腕の見せ所だが、首をかしげるような采配が多い。イラク戦は象徴的な試合だった。1トップのFWに浅野を起用し、左に南野、右に伊東、トップ下に久保をスタメンで起用したが、全く機能しない。南野は中に切れ込むため、久保と連動できず左サイドで起点を作れない。浅野もポストプレーに長けた選手ではなく、DFラインの背後を突くプレースタイルのため前線でボールがおさまらなかった。後半から左に伊東、右に久保、トップ下に南野に配置変更したことでボールが回るようになったが、後半29分に伊東を代えて前田を投入して手詰まりに。イラクのDFラインが下がり、背後にスペースがない中で前田を起用しても持ち味を生かせない。攻守で機能していなかった右サイドバックのDF菅原由勢(AZアルクマール)をフル出場させた判断にも疑問が残った。

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決して組みやすい相手ではない