国際大会で歴代最多の10連勝を飾った日本代表は「歴代最強」の呼び声が高かった。アウェーでの親善試合でドイツ代表を4-1で撃破、キリンカップでもトルコ戦で4-2と快勝するなど内容も充実していた。今年元旦に国立競技場で開催されたタイ戦も5-0で圧勝。アジア杯も優勝候補の大本命に目されていたが、風向きが変わる。1次リーグの初戦・ベトナム戦で一時逆転を許すなど苦戦。4-2と再逆転して白星発進したが、2戦目のイラク戦は1-2で敗れる。久保建英(レアルソシエダ)が徹底マークにあうなど綿密に研究された攻撃陣は好機を作れず、守備陣も相手の攻勢に手を焼いた。第2戦から先発8人を変更したインドネシア戦はFW上田綺世(フェイエノールト)が2得点を挙げたが、後半ロスタイムに、ロングスローから守備の詰めが甘く失点を喫した。3-1で決勝トーナメント進出を決めたが、3試合で5失点と不安定な守備陣に課題が残った。3試合連続スタメン出場したGK鈴木彩艶(シントロイデン)のパフォーマンスに批判の声が集中しているが、サッカー雑誌の編集者は違った見方を示す。
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責任を押し付けるのは酷
「キャッチング、パンチングの判断を含めて迷いが見られたが、試合を重ねるごとに本来のパフォーマンスを取り戻しつつある。セービング技術が高く、身体能力を生かしてハイボールにも強い。一番の魅力はビルドアップ能力です。フィールドプレーヤー顔負けの高性能なキックでチャンスを演出できる。まだまだ発展途上の選手で改善すべき点は多いが、失点がかかさんでいる責任を押し付けるのは酷です。大きな問題はベンチワークが機能していないことです。堅守速攻のチームへの対応力が相変わらず弱い。W杯優勝を本気で狙うなら、この戦いぶりでは厳しい」