■5位:西武(前年3位)

一軍主力投手:佐藤隼輔    
一軍主力野手:
一軍戦力投手:青山美夏人、豆田泰志
一軍戦力野手:長谷川信哉、蛭間拓哉
二軍主力投手:渡辺勇太朗、(菅井信也)
二軍主力野手:山村崇嘉、滝沢夏央、(川野涼多)

 昨年先発に転向して11勝をマークした平良海馬、プロ2年目で9勝をマークした隅田知一郎が揃って今年25歳になることから対象外となり、その下の年代で戦力になっている選手は少ないことから5位という評価となった。唯一一軍の主力としてカウントした佐藤も早生まれで学年は平良と隅田と同じであり、また青山と蛭間も大学卒のルーキーということを考えると、若手がなかなか期待通りに育っていないことがよく分かる。昨年は投手では豆田、野手では長谷川がブレイクの兆しを見せたが、それ以外はまだまだ若手が不足しているのが現状だ。大器と評判の黒田将矢、羽田慎之介、古川雄大などをしっかり育てて、将来に備えたい。

■6位:ソフトバンク(前年5位)

一軍主力投手:
一軍主力野手:
一軍戦力投手:
一軍戦力野手:野村大樹
二軍主力投手:松本晴、木村光
二軍主力野手:渡辺陸、井上朋也、生海

 一覧に名前が挙がった選手は12球団で最少の6人で、一軍の戦力としてカウントできる選手も41試合に出場して16安打の野村だけであり、迷うことなく6位という評価となった。投手ではスチュアート・ジュニア、野手ではリチャードなど期待されていた選手が既に今年で25歳となるが、ともにまだ一軍定着を果たせずにいる。さらに今回カウントした6人のうち、松本、木村、生海の3人は昨年の大学卒ルーキーであり、チームが育成した選手とは言えない。2020年のドラフト1位である井上がようやく戦力になってきたのは明るい材料だが、山川穂高の加入でまた抜擢の機会が失われる可能性は高い。三軍、四軍まで多くの選手を抱えており、競争が激しいということはあるが、ドラフト、育成ともに上手く機能していないことをよく表していると言えそうだ。

(文・西尾典文)

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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