趣里

金八先生の脇役を勝ち取った

 朝ドラという大舞台に立つまでになった趣里だが、これまで決して順風満帆だったわけではない。民放ドラマ制作スタッフはこう述べる。

「10代のころはバレリーナを目指して海外留学をしていたのですが、大ケガをして断念。医師から昔のようには踊れないかもしれないと言われ、『全てを失った気持ちになり絶望感でいっぱいでした』と、以前インタビューで振り返っていました。バレエを辞めてから、自分が何者なのか分からなくなっていた時期があり、コンプレックスを抱えていたと別のインタビューで明かしていたことも。こうした挫折に加え、周囲からは親の七光りと勘違いされたこともあり、若いころは自分に自信が持てなかったようです。大学に進学し、アルバイトや就職活動をしながら演技学校に通い、ハードなレッスンを続けた結果、2011年に初めて『3年B組金八先生ファイナル』のオーディションで役を勝ち取ったのです」

ブギウギ」で相手役を演じている水上恒司は趣里について「俺も頑張ろう!この人にエネルギーを注ぎ込むぞ!」と、ポジティブな気持ちにさせてくれるとインタビューで話している(「ホミニス」23年12月2日配信)。苦しい時期も乗り越え、強いメンタルと自信が身についたからこそ、30歳を超えて大きく開花したのだろう。

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大物2世とは思えない地道な努力