群馬クレインサンダーズ

 そんなBリーグの成長性や事業性に、企業が注目。ここ数年、M&Aが活発になっている。19年に千葉Jはミクシィがオーナーとなり、島根スサノオマジックはバンダイナムコエンターテインメントが運営会社になるなど、B3までの全56クラブ中、約半数でM&Aが起きた。

佐賀バルーナーズ

 事業規模は拡大していき、今、Bリーグの各クラブではアリーナ建設ラッシュ。昨年4月には群馬クレインサンダーズがオープンハウスアリーナ太田を、5月には佐賀バルーナーズがSAGAアリーナを開業させた。そして今年、来年と新アリーナが続々誕生する。

千葉ジェッツ(構想段階のため、今後デザイン含め変更の可能性がある)(写真:三井不動産提供)

 千葉Jは今春、「(仮称)LaLa arena TOKYO-BAY」を開業予定。来季からホームアリーナになる。収容人数は約1万人。現在のホームアリーナ、船橋市総合体育館の約2倍だ。客席は上段席からでも選手の顔が見えるような距離感を意識し、アリーナ中央に吊り下げられるセンターハングビジョンは今や主流の大型のものを予定している。

クラブにも地域経済にもポジティブな効果

 W杯効果もあり千葉Jのチケット需要は高まる一方で、今はファンクラブ会員だけで売り切れることもある。入会を停止している状態だが、収容人数が倍となれば県内の子どもたちを招待する枠を増やすなど、地域に還元できる。

 立地も魅力の一つ。船橋市総合体育館の周辺に商業施設は見当たらないが、新アリーナは大型商業施設「ららぽーとTOKYO-BAY」と隣接する。

 千葉ジェッツふなばしの田村征也社長は胸を張る。

「クラブとしては観戦が目的ではないお客様を取り込む可能性が期待できますし、観戦したお客様が周辺の商業施設で買い物をするといった『ながら』は魅力の一つ。日常に溶け込んでいるのでバスケを身近に感じてもらえ、アリーナ内では非日常の観戦体験を提供できる。クラブにとっても地域経済にとってもポジティブな効果が得られると思っています」

 新アリーナの中でひときわ大きな注目を集めるのが、長崎に今秋10月14日開業予定のハピネスアリーナ。通信販売大手のジャパネットたかたなどを傘下に置くジャパネットホールディングスのグループ会社、リージョナルクリエーション長崎が運営する、長崎ヴェルカのホームアリーナだ。注目の理由はその規模。新アリーナはホテルや商業施設、オフィスビル、そしてJリーグのV・ファーレン長崎の新スタジアムで形成される「長崎スタジアムシティ」の一角にある。民間主導でまさに“街”をつくっている様相で、島田さんも舌を巻く。

暮らしとモノ班 for promotion
「最後の国鉄特急形」 381系や185系も!2024年引退・近々引退しそうな鉄道をプラレールで!
次のページ