NPB屈指のクローザーとなったライデル・マルティネス(写真提供・中日ドラゴンズ)
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 NPBで活躍した一流プレイヤーたちがメジャー球団と大型契約を次々に結んでいるが、この流れは止まりそうにない。

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 今オフは山本由伸(オリックスからポスティング)がドジャースと投手史上最高額となる12年総額3億2500万ドル(約472億3000万円)、松井裕樹(楽天から海外FA)はパドレスと5年総額2800万ドル(約40億7000万円)で契約。今永昇太(DeNAからポスティング)もカブスと平均年俸が1500万ドル(約21億8000万円)の複数年契約を結んだと報道されるなど、日本では考えられない額のお金が飛び交っている。

MLBの好景気からすると不思議ではない。仮に活躍できなくても次の選手に投資して回収しようとする。今後もNPBの選手は投資のターゲットになる」(スポーツマーケティング関連会社関係者)

 昨年3月に開催されたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で世界一に輝いた侍ジャパンのメンバーを中心に動向が注目されているというが、特に投手への評価は高いという。

「投手では早期のMLB挑戦を訴えた佐々木朗希(ロッテ)や、球界屈指の抑えライデル・マルティネス(中日)が人気。野手では岡本和真巨人)、村上宗隆ヤクルト)らの名前も聞くが、投手に比べれば関心は低い。ともに打撃優先の選手で守備のポジションも限られる。筒香嘉智(今季はジャイアンツとマイナー契約)の前例もあり、似たようなタイプで敬遠されやすい」(MLBアジア地区担当スカウト)

 最も注目されているのは現在22歳の“令和の怪物”佐々木。今オフにポスティングでメジャー挑戦を希望しているという報道もあったが、「25歳ルール」があり当面はマイナー契約しか結べない。「ポスティングで移籍して球団へお金を残して恩返しすべき」という声も聞こえるが、ロッテ・高坂俊介球団社長が条件付きでのメジャー挑戦を許可すること示唆するなど、早いタイミングでのメジャー移籍の可能性も出てきた。

大谷翔平(ドジャース)は2017年オフに23歳で渡米した。NPB時代に所属していた日本ハムは大谷のメジャー移籍後に有形無形の利益を得た。ロッテも目先のお金にこだわらなければ、早い段階での渡米を認めるのではないか」(ロッテ担当記者)

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NPB屈指のクローザーも“高評価”