記憶に新しい第100回大会(2021/22)は、青森山田(青森)が決勝で大津(本)を4-0で下した。その中で得点王に輝いたのは、2回戦で5得点の個人1試合最多得点をマークし、計3試合で計7得点を決めたFW鈴木章斗(阪南大高)だった。鈴木は卒業後に湘南ベルマーレに入団。1年目からリーグ戦2試合を含む公式戦7試合に出場して1得点を決めると、2年目の2023年はリーグ戦だけで27試合に出場。主に後半途中からの起用だったが、その中で3得点をマーク。今後のさらなる飛躍に期待を持たせるシーズンを過ごした。

 そして前回、第101回大会(2022/23)は、岡山学芸館(岡山)が決勝で東山(京都)を3-1で下した中、決勝の舞台に立ったFW今井拓人(岡山学芸館)とMF真田蓮司(東山)に加えてFW山本颯太(前橋育英)、FW森重陽介(日大藤沢)、そしてFW福田師王(神村学園)が3得点で並んで得点王となった。卒業後、今井は駒澤大、真田は関西大、山本は神奈川大へそれぞれ進学。CBとの二刀流でも話題となった森重は清水エスパルスに入団し、大会No. 1ストライカーと呼ばれた福田はJリーグではなくドイツ1部のボルシアMGに入団した。

 今回は過去10年を振り返ったが、1993年のJリーグ発足後の得点王を見ると、吉原宏太(第74回大会、初芝橋本)、北嶋秀朗(第75回大会、市立船橋)、大久保嘉人(第79回大会、国見)、平山相太(第81回&82回、国見)、大迫勇也(第87回大会、鹿児島城西)、浅野拓磨(第90回大会、四日市中央工)の計6人が日本代表まで上り詰めている。この人数が「多い」or「少ない」に議論の対象になるが、最近10年間の得点王からはまだ日本代表選手が現れていないこということは事実としてある。以前のように、高校選手権のスターが日本代表でも活躍するようになれば、長い伝統を誇る「全国高校サッカー選手権」が今後、さらに盛り上がることになる。今年の得点王2人に期待するとともに、まだキャリアを作る段階にある選手たちの成長に期待したい。(文・三和直樹)

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