第97回大会(2018/19)は、青森山田(青森)が決勝で流通経済大柏(千葉)に3-1で勝利して2大会ぶりの優勝を飾った中、FW染野唯月(尚志)、FW藤井奨也(立正大淞南)、MF大竹悠聖(大津)の3人が5得点を挙げて得点王となった。卒業後、藤井が福岡大、大竹が桐蔭横浜大へ進学した中、染野は鹿島アントラーズに入団した。1年目からチャンスを与えられた染野は、鹿島では定位置確保に至らなかったが、期限付き移籍先の東京ヴェルディでは持ち味を発揮し、“再レンタル”となった2023年はシーズン後半から18試合に出場して6得点をマーク。J1昇格プレーオフ決勝では土壇場の後半アディショナルタイムに自ら獲得したPKを決め、チームを16年ぶりのJ1へ導いた。その他の2人もサッカーを続け、藤井は大学卒業後にJFLのミネベアミツミFCに入団し、大竹はJ3のY.S.C.C.横浜でプレーしている。

 第98回大会(2019/20)は、静岡学園(静岡)が決勝で青森山田(青森)を3-2で下して歓喜を味わった中、準々決勝でハットトリックを決めたMF岩本悠輝(静岡学園)と、初戦から3試合連続ゴールのMF森夢真(四日市中央工)の2人が5得点を挙げて得点王となった。卒業後、岩本は中京大に進学したが、森は高卒でJ3のアスルクラロ沼津に入団。1年目から出番を得て経験値を増やした森は、4年目の2023年は主力に定着してリーグ戦32試合に出場。選手権でも見せ付けた強烈なシュート力を武器に5得点をマークした。

 第99回大会(2020/21)は、山梨学院(山梨)がPK戦の末に青森山田(青森)を下して歓喜を味わった。だが、得点王に輝いたのは準優勝校のMF安斎颯馬(青森山田)で、準決勝でのハットトリックを含む5得点をマークした。卒業後、早稲田大に進学した安斎は、大学1年目からリーグ戦で6得点をマークして新人賞に輝く活躍を披露すると、3年生の4月の段階で中学時代まで下部組織に所属していたFC東京に復帰する形で、2025年シーズンからの加入内定が決まっている。すでに2023年にFC東京の特別指定選手としてリーグ戦2試合とルヴァン杯にも出場。高い攻撃性能とともに万能性も魅力の選手権得点王は、右サイドバックでプレーした。

暮らしとモノ班 for promotion
【再ブーム到来】撮ったらその場でプリントが楽しい♪インスタントカメラ「チェキ」
次のページ
飛躍漂わせる100回大会の得点王