巨人のエース・戸郷翔征

 プロは結果が全ての世界だ。吉田、根尾、藤原が伸び悩んでいるなか、一気に抜き去ったのが巨人のエース・戸郷翔征だ。ドラフト6位で入団当時は無名の存在だったが、高卒2年目の20年から先発ローテーションに定着して9勝をマーク。今季も12勝5敗、防御率2.38の好成績をマーク。3月のWBCでは侍ジャパンの一員で世界一に貢献した。日本ハムの万波中世も覚醒した。ドラフト4位で入団後は確実性が課題でレギュラーに定着できなかったが、今季は打率.265、25本塁打、74打点をマーク。本塁打王に1本差で届かなかったが、二塁打33本はリーグトップだった。守備面でも右翼からの強肩で幾度もチームを救った。

居場所がなくなる

 戸郷、万波に水をあけられた形となったが、プロ野球人生は続く。

「来年がプロ野球人生の岐路になるでしょう。吉田がオリックスにトレード移籍しましたが、根尾、藤原は今オフに1軍で定着できないようだとトレード要員になる可能性がある。ファンから絶大な人気を誇りますが、実力の世界です。結果を出せなければチーム内で居場所がなくなる」(前出のスポーツ紙デスク)

 実際にドラフト1位の選手たちの移籍が今オフは目立った。宮川哲が西武からヤクルトにトレードされ、現役ドラフトで佐々木千隼がロッテからDeNA、阪神の馬場皐輔が阪神から巨人、鈴木博志が中日からオリックスに移籍した。吉田、根尾、藤原はプロの世界で輝きを放てるか。チャンスをモノにして、ブレークを期待したい。

(今川秀悟)