大阪桐蔭「最強世代」の藤原恭大

「野手で成功できなかったのは根尾自身にも問題があると思います。野手の時はコーチから打撃フォームで指導を受けてもコロコロ変えてしまう。頭の良い選手なので創意工夫をしているかもしれませんが、同じフォームで続ける継続性がないので打撃の核の部分がつかめないまま年月が経ってしまった。あのまま野手でプレーしても厳しかったでしょう。投手に本格的に転向した今年は春先に投球フォームのバランスを崩しましたが結果に一喜一憂せず、自分の目指す軸を目指してコツコツ取り組んでいた。1軍でも良い投球を見せていましたし、来年が楽しみです」

プレーの精度がまだまだ低い

 同じくドラフト1位でロッテに入団した藤原も殻を破り切れない。19年の開幕戦に「1番・中堅」で球団史上3人目となる高卒新人でスタメンに名を連ねたが、打力が課題で1軍に定着できない。今季は103試合出場で打率.238、3本塁打、21打点、5盗塁。春先は好調だったが、6月以降は打率が下降線をたどった。ロッテを取材するスポーツ紙記者は「スピードで勝負する選手なのに、長打を追い求めてスイングが大きい。クリーンアップを打ちたい気持ちがあるかもしれないが、確実性を高めないとスタメンで常時出られません。結果を出せない時期が続き、今年はチャンスメークに徹する意識が見られましたが、攻守でプレーの精度がまだまだ低い。来季は高卒6年目。期待を込めて起用する時期は過ぎている。目に見える結果を残さないと厳しい」と期待を込める。

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一気に抜き去ったのが巨人のエース