今オフ、驚きの移籍劇が日本ハム・吉田輝星とオリックス・黒木優太の交換トレードだった。
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吉田は金足農業で3年夏に強豪校を次々に撃破し、甲子園準優勝に導くエースとして大活躍。「金農旋風」は社会現象となった。ドラフト1位で日本ハムに入団して将来のエースと嘱望されたが、5年後にトレード通告を受けた。一体、何があったのだろうか。日本ハムを取材するスポーツ紙記者は、こう語る。
「本人は先発へのこだわりが強かったが、チーム事情を考えるとなかなかなチャンスがない。そもそも今年は1軍で抑えられる水準に達していなかった。1位で指名しましたし期待が大きい選手ですが、環境を変えたほうが能力を引き出せると日本ハムは判断したのでしょう」
ずっとくすぶっていたわけではない。プロ入り後に先発で結果が出せない時期が続いたが、昨年は救援に配置転換されて51試合登板で2勝3敗5ホールド、防御率4.26をマーク。先発では4試合登板で防御率7.53に対し、救援は47試合登板で防御率3.31と安定していた。だが、先発に再挑戦した今季はフォーム改造で試行錯誤を繰り返した。3試合登板で防御率9.00と精彩を欠く。スポーツ紙デスクは指摘する。
「直球の制球がアバウトで変化球も抜け球が多い。短いイニングだったら球の勢いで抑え込めますが、先発だと抑える引き出しが少ないので厳しい。実績を積み上げてない段階で先発をやりたいと言っても、チームのピースとなって貢献しなければ信頼はつかめない。千賀滉大(メッツ)、平良海馬(西武)ら好投手たちは救援で実績を積み重ねて先発で成功していますしね。オリックスでは球速、変化球のキレと自分より力が上の投手たちがゴロゴロいる。日本ハムよりレベル高い1軍の投手陣に割って入るのは難しい。プライドをかなぐり捨てて、もう一度はい上がってほしいですね」