京産と明治が対戦する準決勝で勝敗を分ける重要なカギとなるのはやはりスクラムだ。京産が優位に立てれば、攻撃ではポルテレら個々の突破力が加速し、防御でも15トライで対抗戦トライ王になったWTB安田昴平(3年、御所実)ら明治の得点力のある選手の勢いを止められる。逆に起点が安定すれば明治の攻撃は力任せ一辺倒ではなく多彩。フランカー三木皓正キャプテン(4年、京都成章)率いる京産の守りがどこまで抑えられるか。京産が勝てば初の決勝進出、明治は帝京に敗れた第58回以来2大会ぶりとなる。
■帝京-天理(14時40分開始)
3シーズン続いて対抗戦グループを全勝で制した帝京は準々決勝から登場。関西Aグループ3位の関西学院大学を寄せ付けず、78-15と圧勝した。昨シーズンの対抗戦トライ王のWTB小村真也(3年、ハミルトンボーイズ)、同2位だったフッカー江良颯キャプテン(4年、大阪桐蔭)ら特定の選手の得点力に頼らず、9選手で11トライを奪った。
対抗戦での戦いぶりを見ても、7試合での総トライ数は昨シーズンの67を上回る8チーム中トップの74だったが、小村はトライ王の明治・安田と5トライ差の10トライで2位と個人が突出しているチームではない。副将のフランカー奥井章仁(4年、大阪桐蔭)が8トライで4位、1年時から公式戦に出場して連覇を経験しているフランカー青木恵斗(3年、桐蔭学園)と、まだ1年生のCTB上田倭士(大阪桐蔭)が7トライで5位タイと、どこからでも点が取れるチームだ。
天理は準々決勝で関東リーグ戦グループ1位の東海大学から5トライをあげて34-14と快勝した。開始3分で先制トライを奪ったのはマナセ・ハビリ(4年、高知中央)。相手のこぼしたボールを拾ってインゴールに持ち込んだ。身長175センチで体重105キロのCTBは3大会前の早稲田との決勝に唯一の1年生として先発して日本一を経験している。一方、後半最初のトライはナンバー8パトリック・ヴァカタ(3年、日本航空石川)。相手ゴール前スクラムから持ち出し、タックルを跳ね飛ばして跳び込んだ。