今シーズンで60回目を迎えたラグビーの全国大学選手権は、新春1月2日に東京・国立競技場で準決勝2試合が行われる。2連覇中の帝京大学(関東対抗戦Aグループ1位)は第2試合で3大会ぶりの優勝を目指す天理大学(関西Aリーグ2位)と対戦。第1試合では初の決勝進出を狙う京都産業大学(関西Aリーグ1位)が歴代2位となる優勝13度の明治大学(関東対抗戦Aグループ2位)に挑む。大学ラグビー界は東高西低の時代が続いていたが、今大会は7シーズンぶりに関西勢2校が4強に残り、準決勝2試合ともに東西対決となった。
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■京都産業-明治(12時25分開始)
京産は23日の準々決勝で早稲田大学(関東対抗戦Aグループ3位)を65-28と37点差をつけて粉砕した。前回大会では準決勝で対戦し、1点差で競り負けた相手。しかし、この試合はその悔しさを十分に晴らす内容だった。前半10分にトライを先取されたものの、22分、優位に立ったスクラムからの攻撃で最後はナンバー8シオネ・ポルテレ(2年、目黒学院)がタックラーを次々と弾き飛ばして逆転トライ。ここからは一方的な展開となった。スクラムで圧倒して優位に立ち、守っても相手バックスに力を発揮させない。30分にバックスの素早いパス回しからWTB西浩斗(3年、熊本西)がトライしたかと思えば、後半4分にはゴール前のPKでゴールを狙わずに速攻を仕掛け、今度はFWで攻めて最後はフッカー李淳弘(3年、大阪朝鮮)がインゴールへ。38分にはラックサイドをFB辻野隼大(3年、京都成章)が突いて独走トライと縦横無尽に攻め続けた。
CTB廣瀬雄也キャプテン(4年、東福岡)が対抗戦の慶応大学戦(11月3日)に出場して以降負傷で戦列を離れている明治は、今大会初戦となる準々決勝で筑波大学(関東対抗戦Aグループ4位)と対戦し、7トライを奪って45-7と快勝した。6トライで40-21だった対抗戦での対戦時から攻守ともに差を開いた形だ。前半は36分にFWの突破からフッカー松下潤一郎(4年、筑紫)がトライし、17-7とリードして折り返し。後半は20分過ぎまでの拮抗した時間帯を我慢してしのぐと、22分、相手ボールのスクラムでPKを獲得したのを起点に相手ゴール前まで攻め込み、CTB平翔太(2年、東福岡)が切れ味の良いランでゴールポスト下へ。その後、さらにノーホイッスルを含む3トライを追加し、後半は筑波に得点を許さずに突き放した。スクラムで圧力をかける一方、規律を保って反則数を3に抑え、点数だけでなく内容でも会心の勝利だった。