1月に入ると各球団でルーキーによる合同自主トレがスタートするが、果たして来年戦力となる選手は誰なのか。順位に関係なく5人をピックアップしてみたいと思う。
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来年のルーキーは特に1位指名の選手に即戦力候補が多い印象を受けるが、中でも投手では武内夏暉(西武1位・国学院大)、野手では度会隆輝(DeNA1位・ENEOS)がその筆頭候補と言えるだろう。武内を高く評価できるのは最終学年に大きく成長したところと、まだそのポテンシャルの“底”を見せていないという点だ。先発としてフル回転した3年秋以降の3シーズンに絞って成績をまとめてみると、26試合に登板して11勝5敗、防御率1.47と圧倒的な数字を残していることがよく分かる。
185cmの大型サウスポーというとパワーピッチャーを想像するかもしれないが、持ち味はむしろまとまりと安定感にあり、9イニングあたりの与四死球の数も約2個と高い制球力を誇る。チームの先輩で同じサウスポーの隅田知一郎と比べても大学4年時の総合力は上であり、打線の援護に恵まれれば1年目から二桁近い勝ち星をあげてもおかしくはないだろう。
一方の度会は昨年の都市対抗での4本塁打がクローズアップされることが多いが、タイプとしてはスラッガーではなく、最大の持ち味は天才的なバットコントロールにある。むしろ今年は少し強く振ろうとし過ぎてミスショットも目立っただけに、まずはホームランよりもどれだけヒットを増やせるかがポイントになりそうだ。
度会にとって追い風となりそうなのはソトの退団と内野も外野も守れるという点である。ファーストが空いたことによって佐野恵太か宮崎敏郎がコンバートされ、空いた外野かサードに度会が入るとなれば非常におさまりがよいように見える。1年間ある程度我慢して起用すればシーズン100安打、10本塁打以上は十分に期待できるだろう。
この2人に続く選手としては常広羽也斗(広島1位・投手・青山学院大)を挙げたい。武内と同様に投手陣の中心となった3年秋以降の成績を並べると23試合に登板して8勝4敗、防御率1.21と決して引けをとらない。