3年秋は全てリリーフでの登板だったことと、イニング数が武内に比べて少なく、四死球の数が多いという点は少し割り引いて考える必要はありそうだが、4年春の大学選手権の決勝や、秋のリーグ戦で優勝がかかった試合など、ここ一番で見事なパフォーマンスを見せられるのも魅力だ。広島は九里亜蓮、床田寛樹、森下暢仁までは先発が安定しているが、大瀬良大地が力を落としており、5人目以降はさらに力が落ちることを考えると常広にもある程度チャンスはあるように見える。まずはシーズン80~100イニングを投げて、5勝以上を目標としたいところだ。
巨人は2位から5位まで大学卒の社会人4人を揃え、徹底した“即戦力ドラフト”を敢行したが、中でも1年目から活躍してもらわないと困ると言えるのが2位の森田駿哉(投手・Honda鈴鹿)だ。富山商時代から評判の大型サウスポーで、法政大では1年春にいきなり開幕投手を任されている。その後は怪我に苦しみ、社会人でもなかなか結果を残せなかったものの、一昨年くらいからようやく調子が上がり、5年目の今年2位という高い順位で指名を受けた。
特に評価を上げたのが都市対抗での投球で、トヨタ自動車の補強選手として出場すると前年優勝のENEOS、東京を代表する強豪のJR東日本をいずれも6回、1失点に抑え込み、チームの優勝にも大きく貢献した。来年で27歳(早生まれ)という年齢を考えると役割にかかわらず、まずは一軍の戦力となることが求められる。ただ大学時代に怪我に苦しんだということを考えると焦りは禁物であり、まずは万全のコンディションでキャンプ、オープン戦を乗り切り、開幕一軍を目指したいところだ。
最後に下位指名ながら1年目から一軍の戦力となる可能性が高そうなのが古田島成龍(オリックス6位・投手・日本通運)だ。中央学院大では下級生の頃から主戦として活躍し、日本通運でも層の厚い投手陣の中で1年目から先発の一角に定着。今年も1年を通じて安定した投球を続け、ドラフト指名後に行われた11月の日本選手権でも強豪のヤマハを相手に8回途中まで投げてソロホームランの1失点のみ、11奪三振と、来季からのホームとなる京セラドームで圧巻の投球を見せている。