日本ハムが来春のオープン戦で1年ぶりに札幌ドーム(以下ドーム)に戻ってくる。ドームと札幌市側にとっては、2試合のみの興行とはいえ「救いの神」になりそうだ。
【写真】本拠地移転から25年なのに、今でもファンに愛されている球場がこちら
「(日本ハムが移転して)今後に関して頭を抱えていたドームと札幌市にとっては非常に助かる。2日間でかなりの収益が見込め、日本ハムとの関係が悪くないこともアピールできて今後にも繋げられる」(スポーツマーケティング関連会社関係者)
2024年3月2、3日のオープン戦2試合を札幌ドームで開催することが発表された。エスコンフィールド北海道(以下エスコン)の開場後は初めてとなるが、様々な思惑が絡んでいるという。
「エスコンの天然芝の生育問題もあってのドーム使用」と関係者は開催時期について語っている。だが、開幕前の重要な時期だけに、前もって北海道でのオープン戦開催時期を3月後半へ後ろ倒しにする要望をNPBへ出すこともできたはずだ。
「ドーム、札幌市、日本ハムの3者の思惑が一致した。ドームと札幌市は興行開催で箱の稼働ができる。日本ハムはかつての本拠地を忘れていないことをファンへアピールできる。オープン戦開催は早い時期からの決定事項で、今後も同様に行われることが濃厚」(日本ハム担当記者)
日本ハム移転後のドームが苦しんでいるのは周知の事実。稼働の柱はサッカー、Jリーグの北海道コンサドーレ札幌だが、野球に比べて試合数は格段に少ない。他のイベント誘致の目玉として場内を区切って使用する「新モード」の需要も少なく、ドーム自体の年間稼働日数はほぼ半減したと言われている。
「新モードでの初イベントとなったラグビーW杯のパブリックビューイングは1860人の集客で寂しい雰囲気だった。元々音響効果が良くないと言われる箱だけに、コンサートを行うアーティストも少ないため壊滅的な感じ」(大手広告代理店関係者)
もう一つのスタジアム収入の柱である広告出稿も激減、内外野のフェンス広告は今年度から新規販売を中止したとも言われる。コンコースの広告に関しても全ては埋まっていない。