高校野球の秋季大会や高校サッカーなどを開催するもアマチュアイベントの集客と収益はたかが知れている。ドームと札幌市は強気の姿勢を貫き、数年での経営黒字化を宣言していたが現実は厳しかった。見栄を捨ててでもオープン戦開催に踏み切ったのではないか」(スポーツマーケティング会社関係者)

 札幌市はドームの収支見通しとして、2023年は赤字だが翌年からは黒字転換し、2027年までにトータルで900万円の黒字になると試算していた。だが、ふたを開けてみると予想以上に苦戦。今後の運営については様々な議論がなされている。

日本ハムはオープン戦開催に関しては、イチ使用者として現状の規定通りの条件での使用契約を結んだはず。本拠地時代は広告や物販収入のほとんどをドーム側に支払っており、移転の要因となった。そこへ対する恨みの思いはあるだろうが、あくまで大人の対応に終始した形」(大手広告代理店関係者)

「日本ハム球団史の中でドーム時代は栄光も味わっておりファンに対しての印象も大事になる。仮にドーム使用を固辞した場合、世間的にはドームや札幌市側への恨みを引きずっているように感じさせる。必要な時に喜んで使わせていただく程度の方が印象は良い」(日本ハム担当記者)

 ドームと札幌市側にとっては赤字を少しでも減らせる。日本ハム側からすればイメージアップとともに困った時に使用できる便利な箱となる。お互いにとって程良い距離感の関係が築けそうな感じだ。

「今後は両者win-winの大人の関係が築けそう。タラればの話だが早い段階からお互いにメリットがある方法を模索できたはず。日本ハムが移転すればドームが苦戦することは予想できた。ドームと札幌市側の対応が高慢だったために招いた現状が残念で仕方ない」(スポーツマーケティング会社関係者)

 厳しい状況を迎えているドームの一方、日本ハムは今シーズン新たな本拠地で上々のスタートを切った。昨年からチームを指揮する新庄剛志監督のもと、2年連続の最下位となったが、入場者数はソフトバンクオリックスに次ぐ3位。球場へのアクセス問題など、まだ解決されていない点もあるが北海道の新たなシンボルとなり、多くの人を引き寄せるだけの魅力があることを証明した。

 両者の“明暗”は分かれたものの、日本ハムはオープン戦をドームで開催することからも関係性は続いていきそうでもある。

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ドームの開催には“懸念点”も