清和会は「カネ集めが下手」は有名
清和政策研究会という名称も、福田赳夫が「政清人和(まつりごと清ければ人おのずから和す)」という言葉に由来している。「清廉な政治は人民を穏やかにする」という意味だ。
そして清和会の歴代トップは福田の後、安倍晋三の父親だった安倍晋太郎、三塚博、森喜朗、町村信孝、細田博之、そして安倍晋三と引き継がれた。
「過去には、リクルート事件など、清和会の国会議員に金銭スキャンダルが発覚したことはありました。とはいえ、派閥全体としては『清和会は比較的クリーン』というイメージが定着していました。それだけに今回は、『安倍派がこれほどまでに裏金に執着していたのか』と驚く声が出ているのです」(同)
政治アナリストの伊藤惇夫氏は、1973年から94年まで自民党本部に勤務したキャリアを持つ。派閥がどのようにして政治資金を集めたかを間近に見てきた一人である。
伊藤氏は「清和会はカネ集めが下手、という評価は政界の常識でした」と指摘したうえでこう話す。
「清和会は伝統的にカネ集めが下手だったからこそ、派閥の政治資金パーティーにこだわったのでしょう。所属議員の多くはカネ集めが得意ではないので、彼らにやる気を出してもらうためにキックバックのシステムを編み出したと考えられます。パーティーが清和会の屋台骨を支えてきたと言っても過言ではなく、(キックバックの)歴史も30年~40年のスパンだと思います」