「桜を見る会」で演説する安倍晋三元首相

「安倍一強」が招いたコンプラ意識の低下

 前出の伊藤氏はこう続ける。

「今回の政治資金パーティーを巡る一連の問題は、やはり“安倍一強”と呼ばれた時代が長く続いたことが大きな影響を与えていると思います。安倍政権は長期政権となり、安倍派は最大派閥であるという自負がおごりを生み、コンプライアンス意識を低下させたことが透けて見えます。報道をみる限り、東京地検特捜部が安倍派をターゲットにしていることは間違いなさそうです。そうだとすれば、やはり最大派閥のおごりが裏金作りの悪質性を高めた可能性は否定できません」

 安倍派だけでなく、自民党全体に激震が走っているのは言うまでもないが、果たして派閥の未来はどうなるのだろうか。

「来年、自民党の各派閥はパーティーを自粛することが決まっていますが、派閥も所属議員もおそらく干上がってしまうはずです。さらに自民党は何らかの形で改革に着手する必要に迫られるので、その際に派閥の是非を巡って大きな議論が起きるでしょう。結果として、派閥から離脱する国会議員も増えるはずです。その一方で、政界には『国会議員が3人集まれば、それは派閥』という言葉もあります。志を同じくする国会議員が何らかのグループを作るのは珍しいことではありません。今後、自民党の派閥は組織のあり方や役割が変質していくと考えられます」(同)

 2024年は長く続いてきた自民党政治の“カタチ”が大きく変わる年になるかもしれない。

(井荻稔)

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