来オフ、去就が注目されることは間違いないだろう。阪神・大山悠輔が今月10日に兵庫県西宮市内の球団事務所で契約更改を行い、1億5000万円増の推定年俸2億8000万円の単年契約でサインした。一部報道によると、来季中に国内FA権を取得すると見込まれる大山に対して球団サイドから複数年契約が提示されたが、1年契約を選択したという。
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他球団の編成担当は「来オフにFA権を行使するとなれば、絶対に欲しい。複数球団による争奪戦は間違いない」と断言し、こう続ける。
「本塁打を量産する岡本和真(巨人)、村上宗隆(ヤクルト)のような派手さがあるわけではないが、4番としての仕事をきっちり遂行する。野球偏差値が高いという言葉がピタリとハマります。状況に応じた打撃ができるし、ここぞという場面で走者を還す殊勲打が多い。守備も一塁だけでなく、三塁、左翼と複数のポジションを守れるので起用法の幅が広い。FAで獲得する選手に求められるのは成績だけでなく、若手の模範となる振る舞い、野球に向き合う姿勢です。大山は自分が打撃不振でも態度に出さず、常に全力疾走を怠らない。守備、走塁への意識が高いし、目に見える数字以上に貢献度が高い。欲しくない球団のほうが少ないでしょう」
今年は全143試合に「4番・一塁」でスタメン出場し、打率.288、19本塁打、78打点をマーク。4番・大山はエゴイストと対極だ。ボール球をきっちり見逃し、打つべき球をきっちり捉える。99四球はリーグ最多で、8犠飛もリーグトップ。最高出塁率(.403)のタイトルを獲得し、ゴールデングラブ賞とベストナインをダブル受賞した。