優勝パレードで沿道のファンに手を振る近本光司(右)と大山

 阪神を取材するスポーツ紙記者は「本塁打の数が物足りないと言われていますが、今年は例年以上にフォア・ザ・チームの打撃に徹していたように感じます。本塁打を30本近く打ってもチームの勝利に結びつかなければ、4番としての重責を果たしたとは言えない。昨年までは打順が流動的だったが、岡田彰布監督が就任して4番に固定されたことで覚悟が固まった。長打を狙う場面、つなぎに徹する場面と打撃のアプローチを使い分けていましたね。四球を重視する打撃スタイルで試行錯誤した部分もあったと思いますが、来年は個人成績でもっと数字が上がると思います」と期待を込める。

 本塁打、打点の個人タイトルを獲得した経験はないが、長打力も球界屈指だ。広い甲子園を本拠地にする阪神で、2020年から3年連続20本塁打以上をマーク。生え抜きの右打者では30年ぶりの快挙だった。コロナ禍で120試合に短縮された20年に28本塁打をマークしている。岡本にあと一歩及ばなかったが、シーズン終盤まで熾烈な本塁打王争いを繰り広げた。

 在京球団のスコアラーは「横浜、神宮、東京ドームが本拠地だったら、シーズン30本塁打は軽く超えるでしょう。変化球をさばくのは若手の時から非凡なセンスがあったが、速い直球も力強くはじき返すようになり、スキのない打者になっている」と実力を高く評価する。

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