さらに、メジャーでは中4日で年間を通じてローテーションを守ることが求められる。現段階では米国でバリバリ投げている姿は想像できないというのが実情だろう。
とはいえ、潜在能力的には相当な評価を現地で受けている。メジャーでも“即戦力”でなければ、今からの渡米もアリなのではないかという声もある。
「入団時に比べてメカニクスに沿った無理のない素晴らしい投球フォームに変貌を遂げている。常時160キロを超える真っ直ぐと高速フォークは今すぐにでも通用する。投げるための体力強化や経験をマイナーリーグを含めた米国で行う方法もある」(MLBアジア地区担当スカウト)
年間を通じての活躍は難しくても、メジャーレベルの能力を持っているのは間違いない。早い段階で渡米してマイナーリーグで2~3年かけて成長するという道もあるというが……。
「条件面を考慮して現時点での渡米に反対する人も多い。MLBには25歳ルールがあり当面はマイナー契約となる。投手としての実力はあっても日本での実績が少ないため、ポスティング移籍時の金額が抑えられる可能性もある」(スポーツマネジメント会社関係者)
25歳未満もしくはプロ6年未満の海外選手はマイナー契約しか結べないため、佐々木が来季に渡米した場合はその後の数シーズンはマイナー契約となる。選手が契約で保証される額によって変動するロッテへの譲渡金も当然少なくなる。
「高校時代からメジャー願望が強かった。23歳でエンゼルス入団、ドジャース移籍で莫大な契約を勝ち取った大谷というお手本もいる。早いタイミングでの渡米の可能性も決してゼロではないが、周囲を説得できるかにかかっている」(MLBアジア地区担当スカウト)
1日でも早く渡米して米国野球へ適応し超一流を目指す方法もある。しかしメジャー契約を結べる25歳で渡米すれば、今オフの移籍市場の目玉で、総額3億ドル(約424億円)の大型契約が噂される山本由伸(オリックス)を上回る可能性があると言われる。莫大な利害が絡むだけに物事は簡単に進みそうにない。