その言葉を裏付けるように、2022年の武田氏の政治団体の政治資金収支報告書を確認すると、4回のパーティー開催で収入が1億9千万円あまりあった。
今回のパーティーの出席者によると、1千人以上が出席したようで、二階俊博会長ら二階派の議員を背に武田氏がマイクを握り、
「政治資金パーティー、政治資金収支報告書で騒がれています。法にのっとってきちんとやらねばならない。法令順守」
と安倍派に当てつけるように話した。
会場には、渦中の安倍派など他の派閥幹部らの姿はほとんどなく、会場周辺にいたマスコミも肩透かしという状況だった。
パーティーはドタキャンでパー券代だけ事務所へ
また同じ日、麻生派で衆院議院運営委員長の山口俊一氏も都内で政治資金パーティーを開いた。
麻生派の国会議員は、
「山口先生は麻生派ですから、安倍派の騒動は直接は関係ない。うちもパーティー券のキックバックや不記載がゼロじゃないかもしれないが、安倍派ほど大きな金額ではなく、大きな傷を負うことはない。ただ今日も自民党ではパーティーが何カ所かで開かれていて、安倍派でなくとも、この状況で大丈夫なのかな、と心配になります。パーティーへの出席はドタキャンして、こっそり議員の事務所にパー券代だけを支払っている議員もいる」
と胸の内を明かす。
特捜部のターゲットになっている安倍派。
「すでに派閥の会計責任者ら事務スタッフ、キックバックの金額が大きいとされる安倍派の議員秘書、関係者ら総勢40人くらいが特捜部に出向いて事情を聴かれています」
と安倍派の衆院議員は沈痛な表情で話した。
安倍派では、直近5年間で大野泰正参院議員が5千万円、池田佳隆衆院議員と谷川弥一衆院議員が4千万円、元五輪担当相の橋本聖子参院議員が約2千万円。そして、安倍派「5人衆」の松野博一官房長官、高木毅・党国会対策委員長、世耕弘成・参院幹事長がそれぞれ1千万円超、西村康稔経済産業相が約100万円などと報じられている。萩生田光一・党政調会長は数百万円とされ、会長を辞職する意向を固めたようだ。
池田氏は3200万円あまりのキックバックを認め、政治資金収支報告書を訂正する方向だという。
岸田首相は、松野博一官房長官の「更迭」から、閣僚や党役員、副大臣、政務官まで安倍派を一掃するとの意向が伝わっている。