村田倫子さん:1992年生まれ。モデルとして雑誌やテレビなどで幅広く活躍する傍ら、アパレルブランド「idem」のディレクターとしても活動。食やお酒に関する知識も深く、WEBで連載を持ち、著名人と対談することもある

 ついにやってきた、何の制限もない忘年会シーズン。ビールやワインもいいけれど、今年らしいのは「クラフト焼酎」だ。香りや味わいにクセがあり、初心者にはハードルが高そう……と思うかもしれないが、知れば知るほど奥深い。発売されたばかりのムック「いま最高の酒場と焼酎。」から、お酒を愛するモデルの村田倫子さんが焼酎Bar「秘蔵」オーナーの土山章裕さんに奥深き焼酎の世界を学ぶ対談を公開したい。

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村田 今日はよろしくお願いします! お酒が好きなのでお店を訪れるのをとても楽しみにしていました。焼酎を飲む機会がほとんどなくて、種類や選び方もよくわからないんです。
土山 普段はどういうお酒を飲んでいますか?
村田 日本酒やナチュラルワインを飲むことが多いですね。
土山 ちなみに、焼酎に対してはどんなイメージを持っていますか?
村田 お父さん世代がよく飲んでいるちょっとシブいお酒、という印象が強いです(笑)。あとは日本酒が好きなので、米焼酎ならスッと飲めるのかも、という気はしています。
土山 そうですよね。ビールや日本酒と違って、焼酎を専門に扱う飲食店さんって意外と少ないんですよ。焼酎自体を飲むきっかけがないので、どんな種類があってどんな味なのかというイメージがわかない人もかなり多いんです。

村田 そういえば焼酎にも麦、米、芋など種類がありますよね。それぞれどのような違いがあるんですか?
土山 どれも製造工程で大きな違いはないんです。ただ、原材料の種類によって香りや飲み心地も大きく変わってきます。
村田 なるほど。私もお気に入りの香りや飲み心地の焼酎に出合えたら、焼酎の沼にハマるかもしれません……!

焼酎Bar「秘蔵」オーナー 土山章裕さん:大学生の時に沖縄で泡盛を飲んだことがきっかけで焼酎の世界に足を踏み入れた。2012年に東京・押上に焼酎Bar「秘蔵」をオープン。焼酎アドバイザーの資格を持ち、普段焼酎を飲まない人にも香りや味わいの好みに合わせておすすめの1本を提案してくれる

村田 そもそもクラフト焼酎ってどういうお酒なんですか?
土山 はっきりしたことは言えませんが、おそらく大手メーカーが大量生産する焼酎とは逆の、小規模な酒蔵が手作りで生産している限定的な焼酎を意味しているのだと思います。
村田 それぞれに味の違いがあるんですか?
土山 蒸留酒である焼酎は、醸造酒の日本酒やワインなどと違い、味に大きなブレがないんです。日本の焼酎のほとんどはこだわりの原材料を使用して製造されているので、ほとんどの焼酎がクラフト焼酎と呼ばれるものになるかもしれません。

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アールグレーみたいな香り