優勝が決まった当日のタイガースタジアムの店内の様子(撮影/上田耕司)

 翔真さんの父・宏一郎さん(47)は台東区在住で、店の常連。14日は人手が足りないので、ボランティアで店を手伝っていた。

「言葉にできないですね。もう涙が止まらなかったです。この18年間で、優勝を逃したのが2~3回あって本当に悔しい思いをしてきました。今年、岡田監督になって期待をしていたらその通りになってくれたので、その思いが爆発して涙が止まらなかった。たぶん、社会人になって初めての涙です。常連のメンバーと一緒に野球を見られて、喜びを分かち合えて、本当に幸せです」

 同じく店の常連で、森下翔太選手の背番号「1」のユニフォームを着ていた田中孝さん(50)は興奮気味にこう話す。

「明日は仕事で来られへんかったから、絶対に今日優勝してほしかった。しかも、裏で広島とヤクルト戦をやっていて、その試合が終わるよりも早く、阪神が優勝を決めたのがナイスやった。今日はホームの甲子園巨人に勝って優勝してほしかったし、巨人もそうされたくないから必死なのはわかった。本当にいい試合だった。長いペナントで優勝したんだから、もう95%達成。CSや日本シリーズはエクスビジョンやで(笑)」

 今年、阪神が強くなったポイントについてはこう分析した。

「岡田監督に尽きる。査定額をフォアボールで出塁してもヒットと同じように30万円~100万円(推定)に上げたことは大きかった。あと、岡田監督は友達野球ではなく、上下関係があんねん。いい悪いは別として、それでしっかりとしたメリハリのあるチームをつくった。“アレ”っていうのはオリックス時代から言っていたけど、阪神に来てキャッチフレーズに仕上げたね」

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「今日は帰りたくないです」