AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占い師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。
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Q:去年、10年以上勤めた会社から初めて転職して、未経験異業種のベンチャー企業に勤めています。手取りで10万は月給が上がりました。でもチャットツールでのやり取りによるオンオフの境が曖昧な忙しさや、業界知識が足りないことで常に疲弊しています。働く人たちも、リモートなどの環境面も良い面が多いのですが、給与水準を落として転職し直すか悩んでいます。(女性/ECコンサルタント会社勤務/34歳/やぎ座)
A:長く勤めた会社からの1回目の転職とか、長く自分がいた環境や文化から離れて違う環境に移る時って、「何か違うかも」がすごく際立つものだと思います。
そして特に今年は、自分が求めるものが以前と変わったことに気づく人も多かったように思います。いまみんなが「生き直し」をしているような時代だから、「あんなに楽しんで参加していた飲み会に全然行きたくなくなった」みたいなことがあちこちで起きているはずです。
僕が今ぜひお伝えしたいと思うのは、メインにあるものよりサブにあるものに注目してみて、ということです。
例えば、今までの私たちに成長や刺激や話題を提供してくれたものって、仕事やSNSでしたよね。みんながやっていることに追随してやっていても、ある程度の刺激や成長を得ることができました。でもそういう「メイン」にあった、成長とかやりがいを与えてくれる装置は、結構もうぶっ壊れていると思うんです。なんていうのかな、以前よりもそこから栄養を受け取れなくなっている。
会社に10年勤めるよりも、趣味で始めた副業のほうが1年で10年分の刺激や成長をくれたりする。「サブ」で何をするかが、おもしろい経験値になっていっているように思うんです。