青山学院大・佐藤一世
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 大学駅伝は10月9日の出雲駅伝、11月5日の全日本大学駅伝を終え、いよいよ年明けの箱根駅伝(1月2日、3日)へと向かう。史上初となる駒澤大の2年連続の三冠達成が注目されているが、今回は選手個人にスポットライトを当て、優れた素質を持ちながらも大学駅伝では思うような走りができていない選手たち、“くすぶる”ランナーたちを取り上げたい。

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 まず、“王者”駒澤大では白鳥哲汰(4年)に注目したい。中学時代には都道府県対抗駅伝に出場。そして埼玉栄高2年時の全国高校駅伝では“花の1位”に出走すると、並み居る他校のエースたちを退けて区間賞の走りを見せ、大きな注目を集めた。だが、その後は思うような走りをできず、大学1年時に箱根1区に出走するも区間15位、2年時には箱根7区を任されたが区間10位に終わった。そしてチームが三冠に沸いた昨年度は、3レースとも出走なし。迎えた最終学年も出雲、全日本と出番がなく悔しさを味わった。だが、箱根の選考レースにもなった11月19日の上尾ハーフでチームトップ(全体7位)の1時間2分14秒で走った。ここから本番へ向けて、さらにコンディションを上げていけるか。都大路で見せた輝きを学生最後のレースで見たい。

「打倒・駒澤」に燃える青山学院大では、佐藤一世(4年)の走りに注目だ。八千代松陰高時代の全国高校駅伝1区で区間賞をマークすると、大学駅伝デビューとなった1年時の全日本駅伝では5区区間賞と期待通りの快走を見せた。続く2年時は出雲(3区3位)、全日本(5区区間賞)、箱根(8区2位)と安定した走りを披露していたが、3年時は箱根で7区7位と振るわずチームも駒澤大の三冠を許した。そして最終学年となった今季は、出雲で3区4位、全日本では3区8位だった。及第点の走りにも思えるが、スーパールーキーと騒がれた男、エースとなるべき男としては物足りない。箱根ではチームに勢いづける“激走”を求めたいところだ。

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東洋大、順天堂大にも“くすぶる”ランナー