2022年のドラフト2位で阪神に入団した門別啓人

 今年も多くの新星が飛び出したプロ野球。セ・リーグでは過去2年間一軍で勝利のなかった村上頌樹(阪神)がMVPと新人王をW受賞、パ・リーグでは一軍登板すらなかった山下舜平大(オリックス)が新人王を獲得し、1年前からは想像できないほどの飛躍を見せた。野手も現役ドラフトで移籍した細川成也(DeNA→中日)が24本塁打を放ち、パ・リーグでは頓宮裕真(オリックス)が初の規定打席到達でいきなり首位打者を獲得している。彼らを見ても、一段ずつ階段を上って成績を上げるよりも、一気にブレイクするケースが多いことがよく分かるだろう。今回は来シーズンそんな飛躍を遂げる可能性を秘めた選手について、セ・パ両リーグから投手、野手それぞれ1人ずつピックアップしてみたいと思う。

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 まずセ・リーグの投手では門別啓人(阪神)を挙げたい。東海大札幌時代は甲子園出場こそなかったものの、北海道ではナンバーワン左腕との呼び声高く、昨年のドラフト2位で阪神に入団。プロ1年目の今シーズンは二軍で12試合に登板して2勝2敗ながら防御率は2.78と見事な成績を残した。シーズン終盤には一軍昇格を果たし、プロ初先発となった9月30日の広島戦では5回を投げて無失点と好投している。

 岡田彰布監督も秋季キャンプで目立った選手として真っ先に名前を挙げており、シーズン後の成長も著しいと評判だ。ドラフト1位では即戦力候補の下村海翔(青山学院大)を指名しており、先発ローテーションに入るのは簡単なことではないが、左の先発は大竹耕太郎、伊藤将司と技巧派が並ぶだけに、本格派の門別が加わることでさらに強力な投手陣になることも期待できるだろう。

 セ・リーグの野手で期待が大きいのが田村俊介(広島)だ。中学時代から本格派サウスポーとして評判で、愛工大名電でも1年夏から背番号1を背負ったが、打撃の才能が大きく開花し野手として入団。1年目は二軍でも打率1割台と苦しんだものの、2年目の今年は大きく成績を伸ばし、9月には一軍で6試合連続安打をマークするなど素質の片鱗を見せた。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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