高校時代から広角に強い打球を放つ打撃には定評があったが、プロ入り後に明らかに体つきが大きくなり、一軍の投手に対しても全く力負けしていない。ファーストストライクから積極的に振っていくスタイルも魅力だ。中軸を任されていた西川龍馬がフリーエージェントでオリックスに移籍したのも田村にとっては大きなチャンスである。シーズン終盤に見せた打撃を続けることができれば、一気にレギュラー獲得も見えてくるはずだ。

 パ・リーグの投手でブレイク候補の筆頭に挙げたいのが金村尚真(日本ハム)だ。富士大では層の厚い投手陣の中で下級生の頃からエース格となり、3年春には完全試合も達成している。ルーキーイヤーの今シーズンは開幕ローテーション入りを果たし、2戦目の登板となった4月9日のオリックス戦では7回途中2失点の好投でプロ初勝利もマークした。しかしその後は右肩の違和感を訴えて長期離脱。9月に復帰したものの、最終的には4試合の登板で2勝に終わっている。

 フル回転で登板していた大学時代と比べて、登板間隔を空けて調整できるようになり、ストレートの出力が上がったことで体への負担も大きくなったように感じられたが、無理をせずにしっかり調整したことはプラスとなっているはずだ。元々コントロールは抜群で、スライダー、カットボール、スプリットなど変化球のレベルも高い。1年間しっかりコンディションを整えて投げることができれば、二桁勝利も十分に期待できる。右のエースだった上沢直之がメジャー移籍を目指して退団予定なだけに、その穴を埋める存在として期待は大きい。

 パ・リーグの野手で面白いのが山村崇嘉(西武)だ。東海大相模では1年秋から不動の中軸として活躍。2020年のドラフト3位で西武に入団すると、1年目から二軍で多くの打席を経験している。プロ3年目の今シーズンは源田壮亮がワールド・ベースボール・クラシックで負傷したこともあって初の開幕一軍入りを果たした。開幕直後にスタメン出場した2試合ではノーヒット、4三振と初の一軍で苦しみすぐに二軍降格となったが、シーズン終盤に再び一軍昇格を勝ち取ると10月2日、3日のロッテ戦で2試合連続ホームランを放ってみせたのだ。

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来シーズン一気にブレイクはあるのか