大山チャンネルは1回の番組を約10日間で仕上げる。「『あんな面白い人がいるよ』など、住民とのふとした会話から企画につながることが多い」と貝本さん。自ら企画を立案するほか、住民からの提案を受けることも多いという。取材、撮影、編集の過程で気をつけていることがあるという。

「一部の人ばかりにお願いすることは絶対にしません。常連の住民も絶対につくらない。あくまでみんなに参加してもらう番組なので、そこを気をつけないとこの番組は終わってしまう」

 とはいえ、番組制作や出演に慣れていない新しい人を起用し続けることは、作品として番組の不完全さにもつながる。ただ、貝本さんは「完璧じゃなくていい」と強調し、こう続ける。

「不完全さを残すことが必要。そうすることで、番組制作や出演で誰でも自分の持ち場や居場所を見つけることができるから」

番組の編集に挑戦する中学生」=大山チャンネル提供
住民による番組企画会議」=大山チャンネル提供

町長も番組に出演

「地域住民のコミュニケーション量が確実に増えていると感じます」

 こう語るのは、竹口大紀大山町長(41)。2017年4月から現職を務めている。竹口町長自らも番組に出ることが多いという。2022年1月には、大山町の課題などを若者視点で議論する新成人とのトークショーで司会を務め出演した。

 竹口町長によれば、「全国のケーブルテレビ局から、制作現場の研修に来る人も増えている」という。大山チャンネルの人気の理由について、竹口町長はこう語った。

「自分も出る可能性がある。自分の知り合いが出ていた。作る側と見る側の垣根がいい意味で曖昧になっているのが、高視聴率になっている一つの要因では」

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