不純物が混じった「粗悪品」も

 海野氏によると、CBDが健康に悪影響をもたらした例はまだ報告されておらず、基本的には、過剰摂取をしなければ危険性は低いという。しかし、気をつけるべきなのが、「粗悪品」の存在だ。

「すべての業者が、安全な配合量や、他の配合成分との相性について、きちんと検証しているとは限りません。原材料も、精製の度合いが甘く不純物が混入していたり、温度管理をしないコンテナでの船便輸入によって劣化していたり、品質の低いものが使われている可能性もあります」

 一般の消費者が、粗悪品かどうかを見極めるのは難しい。大手をはじめ信頼できるメーカーの製品を選んだうえで、初回はサプリメントを1粒飲んだら2~3日様子を見る、アレルギーや肌荒れなどの異変にすぐ気づけるよう家族や知人が近くにいる環境で試す、体調の悪いときは使わないようにするなど、慎重を期すにこしたことはない。

 とはいえ、海野氏は、CBDが持つ「可能性」に期待を寄せている。

「効果効能の検証が進んで認可されれば、『機能性表示食品』といった形で、一時的なブームにとどまらず社会に広がっていくでしょう。また、医学分野でも研究が進んでいるので、更年期のメンタルケアやペインクリニックなどで活用される日も近いかもしれません」   

 冒頭で紹介した、ワンインチの柴田社長の投稿には、「これからCBDを業界全体として健全にしていこうという矢先にこのような状況になり大変残念です」とも記されていた。CBDの未来は、「正しい理解」が浸透するか否かに懸かっている。

(AERA dot.編集部・大谷百合絵)

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