米NYの大麻関連商品の展示会に並ぶ「CBDキャンディー」(写真:ロイター/アフロ)

 大麻の有害成分に似せた合成化合物「HHCH(ヘキサヒドロカンナビヘキソール)」が入った、通称“大麻グミ”を食べた人の健康被害が相次いだ。その結果、同じ大麻つながりでやり玉にあげられているのが、サプリメントやコスメなどで人気の、大麻由来の合法成分「CBD(カンナビジオール)」だ。近年、美容やヘルスケアへの関心が高い女性たちの間でCBDに注目が集まり、女性誌などでも紹介されている。CBDが今、女性たちに人気な理由と、その安全性について、専門家に聞いた。

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「CBDは今回報道されている『大麻グミ』、つまり合成された化合物であるHHCHとは大きく異なる成分です。CBDは精神作用がなく、安全性も認められ食品として正式に認められている成分です。~中略~メディアにおいてもきちんとその辺りの区分けがなく報じられていることもあり、我々としては大変迷惑をしています」

 11月17日、CBD製品を扱う「ワンインチ」の柴田耕佑社長は、自身のXアカウントでこのように訴えた。

 HHCHは、幻覚作用や中毒性のある違法な大麻成分「THC(テトラヒドロカンナビノール)」に似せて作られた、合成化合物。厚生労働省が22日に「指定薬物」に追加したことで、来月2日以降の所持、使用、販売が禁止となる予定だ。

 一方のCBDは、大麻成分のなかでも、規制の対象となっていない合法成分。WHOの報告書には、「研究数は限られている」としながらも「人体に対する依存性や乱用性はない」と記されており、いわゆる“ハイ”になる精神作用はなく、ストレス解消や安眠、不安や痛みの軽減といった効果があるとされる。

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大谷百合絵

大谷百合絵

1995年、東京都生まれ。国際基督教大学教養学部卒業。朝日新聞水戸総局で記者のキャリアをスタートした後、「週刊朝日」や「AERA dot.」編集部へ。“雑食系”記者として、身のまわりの「なぜ?」を追いかける。AERA dot.ポッドキャストのMC担当。

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