さらに俺様、秋山にプロポーズしていた。そのことを、こんなふうに言う。「そろそろ例の返事も聞かせてほしいな」。自信満々パート2。続けて、「公使ともに僕のパートナーになるべきだ、君のためにも」。決めつけパート2。うわー、さいてー、と思っていると、秋山がこう反撃した。「ホンマにうちのためですか?」
ここから、凛々しく正しい秋山が描かれた。プロポーズは断るつもりだとスズ子に言う。中山は好きだし、尊敬もしている、「せやけど」あの人といるとなぜか自分らしくいられない、自分がどこにいるかわからないようになる、と。そして中山に、「自分が一番輝ける生き方をしたい」とキッパリ断る。
「僕といれば(輝ける)」と言いかけた中山に、「輝けません」。「僕を愛していたんじゃないのか」と未練たらしい中山に、「今は愛してないです、全く愛してないです」。キッパリの連打、秋山、強し。
さて、スズ子。好きになったのは、松永(新納慎也)というアメリカ帰りの演出家だった。「はい、あーん」と言って、口にチョコレートを放り込む。アメリカ仕込みらしいフレンドリーな距離感に、スズ子はすぐにしてやられる。決め手は、おでこへのキス。スズ子は松永を好きになるし、松永も自分が好きなはず、と思う。
そもそもOSKにいるスズ子と秋山を東京に呼んだのは、松永だ。スズ子を作曲家の羽鳥(草彅剛)に紹介したのも彼。スズ子の才能を買っていることは間違いない。だから、第7週のメインテーマ「スズ子の日宝への引き抜き」も、善意で解釈すればその延長線にあるのだろう。自分は日宝に移籍する、スズ子も一緒に行かないかと持ちかける松永。そこからの騒動の中、スズ子は「ワテ、松永さんが好きです」と告白する。松永はアメリカに愛する人がいると言って写真を見せる。「言ってなかったか」とも。