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ブギウギ」第7週のラストは、カッコよかった。ステージでスズ子(趣里)が歌う「センチメンタル・ダイナ」と、汽車の座席で秋山(伊原六花)が踏むタップが重なった。歌が終わって万雷の拍手、汽車の中でも拍手が起こった。スズ子と秋山、どちらも凛々しいスターさんだった。

 もうじきで「ブギウギ」を嫌いになるところだった。ずっとイライラしながら見ていたのだ。でも、終わりよければ、すべてよし。これからも見ていこうと思います。

 って、何のことかというと、男だ。東京にスズ子と秋山が出てきてすぐ、2人の恋心が描かれた。新しい職場で、いきなり恋かー。若い女子が恋くらいして当然とわかりつつ、少し心配していたのは、恋愛が仕事の妨げになると経験的に知っている“年長者”のおせっかいが一つ。もう一つは、男がどうも「素敵」と思えなかったことで、これも大きい。

 ヒロインが“運命の人”(イコール結婚相手がほとんど)に出会う前、ワンポイントリリーフとして“イマイチの人”が出てくることは朝ドラに時々ある。が、それにしても、秋山とスズ子の相手は、イマイチを越して“ダメな人”だった。

 でも、2人とも無事にお別れしてくれた。そして最後はカッコいい2人の歌とタップ。だから、くどくど言わなくてもいいのだが、ここからは2人の男がどんなダメ男だったかを説明していくこととする。

 まずは、秋山の相手の中山(小栗基裕)から。東京の梅丸楽劇団のトップダンサー。その踊りに接した秋山は一目惚れ、そして恋人同士に。どんな人かと言うと、一言、「俺様」だ。秋山に、娘役への転向を提案したシーンはこんな感じ。「今後も僕と踊っていく以上は、娘役の方が君は輝くはずだ」。自信満々、勝手に相手のことを決めつける。そして、こう続ける。「君に恋人になってほしいとまで僕が言ったのも、その方が君の魅力が出てくると思ったからだ」。この「まで」はつまり、「恋人になってほしいと“まで”言ってやった」だとまるわかり。

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さらにこの「俺様」ときたら