煉獄コロアキの動画は「ただの‟えせ”現行犯逮捕」　元刑事の弁護士がこの事件に危惧する「悪影響」とは

　ユーチューバー「煉獄（れんごく）コロアキ」こと、杉田一明容疑者（40）の逮捕で焦点が当たる「私人逮捕」。原則として現行犯の場合、逮捕権を持たない一般人でも容疑者を逮捕できると法律で認めたものだ。だが元刑事の弁護士は「私人逮捕系」を名乗った男が起こした今回の事件を「ただの『えせ現行犯逮捕』」と喝破しつつ、「私人逮捕」への悪影響を危惧する。

【写真】え、あくび？逮捕されてもふてぶてしい「煉獄コロアキ」

　警視庁に名誉毀損容疑で逮捕された杉田容疑者。今年9月、東京・千代田区の帝国劇場付近で18歳の女性に近づいて動画を撮影。女性にモザイクをかけずに、チケットを高額で転売していたとの内容で動画を投稿した疑いがもたれている。

　女性はチケット転売とは無関係だった。

「私人逮捕系」を名乗って同じような動画を撮影、投稿を続けてきた杉田容疑者だが、再生数を増やし広告収入を得ることが目的だったとみられる。

　この一件で焦点が当たったのが「私人逮捕」だ。

　杉田容疑者と同じように「私人逮捕」と称し、容疑者らしき人物を撮影した動画を投稿するユーチューバーは複数存在し、アクセス数が100万件前後の動画もある。

　特に転売ヤ―や電車内の痴漢をしたとされる人物を映した動画のコメントには、やり過ぎを指摘する一方で、投稿者の行動を「よく懲らしめてくれた」「こういうやつを世の中から一掃してほしい」などと称賛する内容も少なくない。「世直し」のように見ている人もいるのが実情のようだ。

　そもそも、私人逮捕とはなにか。