俺の膝は今でも皿の部分が10センチ以上グラグラ動くんだけど、これは長年プロレスをやっていた証だ。プロレスラーは膝が悪くなって初めて一流のところまでいけるってもんだ。

武藤敬司の技は一番膝に悪い！？

　ほかのレスラーもみんな膝を悪くするし、武藤敬司なんかあれだけムーンサルトプレスをやっていたら当然膝のダメージが多くなる。一番膝に悪い技なんじゃないか？　その武藤との試合でしたケガも忘れられないね。

　1999年5月の福岡での試合だ。このとき俺は初めて雪崩式フランケンシュタイナーをやったんだけど、武藤が下手に踏ん張るから俺の方が首から落ちてしまった。武藤は自分がやるのは上手いけど、受けるのは上手くないんだよ（笑）。

　その瞬間「ヤバい！」と思った。首がビリっとしびれて、動くとヤバいという実感があった。なんとか起き上がって首をブルブルって振っているんだけど、それは気合を入れるとか武者震いとかじゃなくて、ちゃんと生きているか確認するためだったんだ。「おぉ、大丈夫だ。生きてる」って。

　それから試合が終わってホテルに戻っても首が痛いし、そんなときに限って珍しく長州力が「源ちゃん、飯食いに行こう」って言ってきた。

　俺も「新日本プロレスの金だからとことん使ってやろう」と思って行ったんだけど、2～3杯飲んだだけで調子が悪くなって、すぐにホテルに帰ったほどダメージが深刻だった。

　その夜はずっと首が痛くて眠れないし、付け人も違うホテルに泊まっていたから呼んで冷させるわけにもいかず、かといってホテルの人に首を冷してくれというのもなぁ……と、ずっと一人で痛みに耐えていたよ。

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実は後年発覚したことが