不安定な雇用形態で働いている方、あるいは、産休や育休というかたちを取れないフリーランスなどの方にとっては、妊娠することで職を失うこともあるでしょう。

 一方で、働き方も多種多様な時代になってきています。自宅にいながらできる仕事も増えましたし、あるいは、社会に参画するという意味では、「仕事」以外の何かーー地域社会に貢献する活動などーーに出合えるかもしれません。その人なりのバランスで、生活とキャリアを両立していける世の中になっていってほしいし、これからなっていくだろうという期待を持っています。

 いずれにしても、「子どもか仕事か」ではなく、「子どもも仕事も」が可能な社会であるべきですし、現在はその過渡期といえます。

(構成/長瀬千雅、ブックデザイン/鈴木千佳子)

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高尾美穂

高尾美穂

医学博士・産婦人科専門医。日本スポーツ協会公認スポーツドクター。日本医師会認定産業医。イーク表参道副院長。ヨガ指導者。婦人科の診療を通して、さまざまな世代の女性の健康をサポートし、ライフステージに沿った治療法を提案。その過程で、患者の悩みや困りごと、さらには娘の心身についての悩みの相談を聞くことも。テレビや雑誌などメディアへの出演、連載、SNSでの発信のほか、アプリstand.fmで、再生回数1100 万回を超える人気音声番組『高尾美穂からのリアルボイス』を毎日配信中。とくに、更年期の専門家として、女性たちの支持は非常に高い。著書は『いちばん親切な更年期の教科書─閉経完全マニュアル』(世界文化社)、『心が揺れがちな時代に「私は私」で生きるには』(日経BP)、『大丈夫だよ 女性ホルモンと人生のお話111』(講談社)、『オトナ女子をラクにする心とからだの本』『人生たいていのことはどうにかなる─あなたをご機嫌にする78 の言葉』(以上、扶桑社)など多数。

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