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 独身者へ「結婚に対する意思」についての調査を行ったところ、20代女性が14%、30代女性は25.4%が「結婚の意思なし」と回答した。その中で、もっとも多かった理由は「結婚に縛られたくない、自由でいたいから」。「これからの時代は、血のつながりよりももっと温かい、血のつながりではない結びつきによるコミュニティが必要とされるようになると思う。仕事をしていて友人もいて、毎日充実している、パートナーがいなくても困っていないという方が結婚しないという選択は、これからもっと増える。」と産婦人科医の高尾美穂氏は予想する。同氏の新著『娘と話す、からだ・こころ・性のこと』(朝日新聞出版)から一部を抜粋、再編集し、女性特有のライフイベントとキャリアについての悩みを紹介する。

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女性だけが悩まされるライフイベントとキャリア

 女性にとってもっとも悩ましいのは、妊娠・出産や結婚といったライフイベントと自分が望む仕事上のキャリアを、どのように両立させるかにあります。

 もし仮に、日本の社会が、女性が出産しても仕事を続けることを前提に準備されていて、どんな雇用形態でも産休・育休がしっかりとれるとか、男性もほとんどが産休をとるとか、育休明けの女性にこれまでのキャリアに見合ったポジションが確保されているとか、キャッチアップのための研修が準備されているのであれば、女性たちはこんなにも悩むこともないでしょう。

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高尾美穂

高尾美穂

医学博士・産婦人科専門医。日本スポーツ協会公認スポーツドクター。日本医師会認定産業医。イーク表参道副院長。ヨガ指導者。婦人科の診療を通して、さまざまな世代の女性の健康をサポートし、ライフステージに沿った治療法を提案。その過程で、患者の悩みや困りごと、さらには娘の心身についての悩みの相談を聞くことも。テレビや雑誌などメディアへの出演、連載、SNSでの発信のほか、アプリstand.fmで、再生回数1100 万回を超える人気音声番組『高尾美穂からのリアルボイス』を毎日配信中。とくに、更年期の専門家として、女性たちの支持は非常に高い。著書は『いちばん親切な更年期の教科書─閉経完全マニュアル』(世界文化社)、『心が揺れがちな時代に「私は私」で生きるには』(日経BP)、『大丈夫だよ 女性ホルモンと人生のお話111』(講談社)、『オトナ女子をラクにする心とからだの本』『人生たいていのことはどうにかなる─あなたをご機嫌にする78 の言葉』(以上、扶桑社)など多数。

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