Q6 肺炎の治療は自宅でできるって本当ですか?

A 基本の治療のほか、緩和ケアも受けられる

 日ごろから「むせ」があり、しばしば発熱する場合、ほとんどが誤嚥性肺炎で、治療の基本は抗菌薬による薬物療法です。場合によっては鼻からチューブで酸素を送る酸素療法がおこなわれます。抗菌薬の投与も酸素療法も自宅での治療が可能です。

 また、「成人肺炎診療ガイドライン2017」によると、誤嚥性肺炎の頻度が高い、老衰の状態にあるなどの場合、積極的に治療しない選択肢も示されています。その場合は医療用麻薬やステロイド薬などで呼吸を楽にする緩和ケアを自宅で実施することができます。

 病院では気管挿管や気管切開をして装着する人工呼吸器での呼吸管理など、高度な集中治療が可能です。比較的自立度が高い療養者で高熱や咳が続き、酸素飽和度が下がるなどの症状が強いときは、一般の肺炎が疑われます。

 認知機能の低下がなく、病院での治療の意義を理解し治療に協力できれば入院治療をすすめます。

Q7 臨終の間際でも耳は聞こえているって本当ですか?

A 家族の呼びかけに反応するケースが多い

 聴覚や脳の反応などを調べた科学的な証拠はありませんが、多くの医療関係者の経験から耳は聞こえていると言われています。

 在宅医が「ご臨終です」と言いかけたとき、家族が「おかあさん」などと呼びかけると、手を握り返したというケースや、最期を看取った家族から、声をかけたら反応したという話がよく聞かれます。

 やはり耳は聞こえていて家族の気持ちが伝わっているのではないでしょうか。看取りが近づいた家族には「耳は聞こえていると思いますよ、声をかけてあげましょう」と話しています。

Q8 今は在宅での看取りを希望していますが、途中から施設での看取りに変更することはできますか?

A 受け入れ可能な施設があれば変更できる

 変更は可能です。自宅で看取るつもりでいても、何らかの事情で施設での看取りに変更するケースもあります。

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すべての施設に看取り目的で入所できるわけではない