話を大阪府のボランティアに戻す。府のある管理職は困った表情で、
「2003年のときは、ボランティアがニュースになることはなかったはずです。吉村知事は目立つことが好きなので、仕方ないです」
と話した上で、府庁内の状況についてこう語った。
管理職は行かざるを得ない
「府全体でいえば、職員数が十分ではないので疲弊している人が多い。残業や時間外労働は当たり前の『ブラック』と言われても仕方ない環境です。新型コロナの感染拡大で、所管外の部署に応援にいかされるなど無理な勤務もあったので、2003年とは時代が違うというのが正直なところ。ボランティア参加を強制的に求めることはできませんが、人数が足りていないとなれば、管理職は行かざるを得ないのでしょう」
日本シリーズは第7戦までもつれ、見どころも多く、野球ファンにとっても素晴らしいシリーズとなった。パレードに行って両球団を祝福し、ねぎらいたいと思っているファンや地域の人たちにとって、それが万博の宣伝のために行われている、とわかれば思いも複雑だろう。
2003年にも職員のボランティアを募ったとはいえ、そのときに万博はなかった。背景や目的が大きく違うのだ。
(AERA dot.編集部・今西憲之)