パレードについて発表する記者会見場を見ても異様だった。知事らの席の後ろの大きなパネル、テーブル前にかけている幕、大小合わせて数本あるのぼり、着ぐるみのキャラクターと万博一色だった。会見の趣旨を説明するモニターにも、
「兵庫・大阪連携『阪神タイガース、オリックス・バファローズ優勝記念パレード』~2025年大阪・関西万博500日前!~の開催について」
と書かれており、意味がわかにくい。パレードの目的についても、
「万博への弾みとするため、万博の機運をより一層盛り上げるPRを行います」
と堂々と書かれていた。
「両球団の優勝を万博の宣伝に利用するな」
パレードの実行委の会長は、関西経済連合会の松本正義会長で、副会長は吉村知事と大阪市の横山英幸市長。3人はいずれも万博の運営主体である日本国際博覧会協会の副会長も務めており、“万博の宣伝をするために決めたイベント”にしか見えないのだ。
当然、SNSなどでは、「両球団の優勝を万博の宣伝に利用するな」「政治利用は問題ないのか」といった批判が多数、上がった。先に紹介したように、「クラウドファンディングで資金が集まったら、万博に利用されるのでは」との投稿が出てくるのは自然だろう。
吉村知事は記者会見で「万博に使うことはない」と明言しているが、いまだに万博への転用の可能性を指摘するコメントが続いている。
大阪府の担当者は、
「クラウドファンディングで集まらない場合は、協賛企業にもお願いするということでなんとか目標を達成したい。5億円を超えたときにどうするかは、実行委員会で判断されます」
と話した。