
街の顔ともいえるのが毎春、桜まつりでにぎわう「さくら坂」だ。約150メートルの坂道の両脇にソメイヨシノが植えられたのは1991年。それ以前は柳が植えられていたという。
「道玄坂に植えていた桜を植え替えると聞いて、地元の町会などで引き取ったんです」(東松さん)
東松さんは自宅前にセルリアンタワー東急ホテルが建設された約20年前から街の変化を実感し、地元のスナップ写真を撮影してきた。撮りためた数千枚のカットを編集して記録集を発刊したいと考えている。記者が東松さんの撮影に同行していた10月中旬、「いよいよですね」と女性から声をかけられた。セルリアンタワーの関係者だという。
「ここもこれから大都会になるね」
東松さんがポツリとこぼした。
「渋谷サクラステージ」はオフィスや商業施設などに加え、外国人を含むビジネスパーソンらが中長期滞在できるサービスアパートメント(SAKURAタワー6~16階)やマンション(同16~30階)も併設される。実質的に「渋谷駅直結」ともいえるマンションは全155戸。地権者保有分を除く東急不動産保有の48戸(50平方メートル前後~300平方メートル前後)は原則分譲を予定しているが、価格帯は「一般分譲の際に発表する」(同社)とし、現時点で販売時期も明らかにしていない。同社はマンションについて「渋谷エリアの再開発プロジェクトの中でも住宅要素は希少価値が高い」とアピールしている。