11月1日、NPBとプロ野球選手会の保留制度検討委員会が行われ、選手会側からはフリーエージェント(FA)権の取得までに必要な登録の日数短縮を求める要望が出されたと報じられている。現在のルールでは国内FA権を取得するまでに必要な年数は高校からプロ入りした選手は8年、それ以外の選手は7年、海外FA権については全選手が9年となっている。また一軍登録145日を1年として換算しており、グラウンド上で発生した故障が原因で登録抹消された場合は特例として登録日数に加算されることもある。
今回選手会側が求めた条件としては、「国内、海外FAともに期間は6年」というものと、「補償制度の廃止」が大きな柱と言われている。仮にこのルールが採用されたとなれば、高校からプロ入りした選手は最短で24歳、大学からプロ入りした選手でも28歳となるシーズンのオフにメジャー移籍を目指すことができるようになり、年齢的にも好条件の契約を勝ち取る選手が増える可能性は高い。また補償制度がなくなることで、FA宣言した選手の獲得に名乗りをあげる球団が増え、移籍市場も活性化するため、力のある選手にとっては確かに願ったり叶ったりと言えそうだ。一方で球団側からすると、せっかく主力となった選手が“旬”を迎えたタイミングで移籍することになり、また補償もないとなれば簡単に容認できないという意見が出てくるのは当然と言えそうだ。
FAを巡っては一昨年のオフにも一つのことが大きな話題となっている。日本ハムが西川遥輝、大田泰示、秋吉亮のFA権を取得している主力選手3人について、「ノンテンダー」という形で自由契約としたのだ。日本ハムとしてはFA権を行使しての移籍となると補償が発生することもあり、選手がより移籍しやすくなるための措置であると説明。残留の可能性もあると報じられたが結局3人とも退団となり、秋吉はNPB球団からのオファーはなく国内の独立リーグでプレーすることになっている(その後シーズン途中にソフトバンクに移籍)。球団側から事前の協議はなく、また再契約の可能性についても説明がなかったこともあって、選手会は日本ハムに対して抗議文を提出。日本ハム側もこれを受けて誤解や誤認が起こらないように努めることと、「ノンテンダー」という言葉を使わないことを表明している。